採用ブランディングとは? 雰囲気で使い、職場で恥をかかないための採用担当者の基礎知識

「求人に人が集まらない」「応募者はいるが良い人材に出会えない」など、採用活動に課題を感じてはいませんか?  採用活動が思うようにいかない時に着目してほしいのが「採用ブランディング」です。理解ができていないまま、言葉だけ独り歩きしがちな「採用ブランディング」の定義・必要性などを解説します。

採用ブランディングとは?

採用ブランディングを語るには、まず読者の皆さんと共通の認識を持つことが大切です。「ブランディング」は人によって認識が異なるため、抽象的でふわっとした説明になりがちだからです。少しカタい話にはなりますが、図解をもとに話を進めたいと思います。

そもそもブランディングとは何を指すのか

採用ブランディングの話をするには、そもそも「ブランドとは何か?」を考える必要があります。ロンドンに拠点をもつ外資系ブランディング専門企業・インターブランド社のHPでは、ブランドを以下と定義しています。

ブランドとは「人々から認識されようと意図するエンティティ(人・組織・企業・事業体など)によって行われる、あらゆる表現の総和」である

……少しわかりづらいですね。我々は上記の説明を受けて、AD(広告)・PR(広報)・BR(ブランディング)の3点を比較して語ると、ブランディングの輪郭がはっきりするのではないかと考えました。

AD(広告)とは、文字通り「広告」であり、広告費かけることで自社商品を世に広める行為です。逆にいうと広告費を止めれば、発信や認知は止まってしまいます。

一方、PR(広報)とは、メディアという自社ではない媒体に発信もらうことで商品を世に広める行為です。AD(広告)とは違い費用はあまりかかりませんが、メディアに取り上げてもらわない限り発信や認知は止まってしまいます。

では、BR(ブランディング)はどうでしょうか。BR(ブランディング)とは、マーケットにいる消費者がすでに商品に対して特定のイメージを持っており、ニーズが発生した時、勝手に選ばれるようにする行為を指します。つまりブランディングがしっかり確立すると、企業が発信コストを抑えても消費者に選ばれ続けるのです。

※参考元:Interbrand「「ブランドの定義」を考える」

ブランディングとは消費者の頭の中のシード権を勝ち取ること

別の言い方をするならば、ブランディングとは「消費者の頭の中のシード権を勝ち取ること」といってもいいかもしれません。

例えば、日本でコーラを飲みたいと思った時、多くの消費者はペプシコーラではなくコカコーラを選ぶと思います。また、手頃な価格で品質のいい服を買おうという場面では、「まずユニクロに行こうか」と考える消費者が多いのではないでしょうか。

これらに共通するのは、特定のニーズが発生した時、消費者の頭の中でトーナメント戦が行なわれ、購買先の候補が自動で絞られているということです。

少し遠回りしましたが、つまりブランドとはブランディングを成し遂げるための企業のコンテンツ発信・リレーション形成の全てを含むと定義づけてよいでしょう。

採用ブランディングを図解化すると?

ということは、採用ブランディングは「採用の」ブランディングなわけですから、ターゲットとなる求職者が就職活動を行なう際に候補として選ばれるようにする施策をいいます。

上の図解をご覧ください。白い小さな四角形の範囲が「求人情報内の価値」です。これは、求人の給与や賞与・福利厚生などどんな職種や企業でもおおむね共通する項目です。

一方で、色がついている四角形の部分が「求職者とのリレーション提供価値」と「コンテンツ提供価値」の範囲になります。リレーション提供価値は、求職者と関係性を築き選ばれるようになるポテンシャルの部分。一般的な施策でいうと以下があげられます。

  • 会社説明会
  • ミートアップ
  • OB訪問
  • 採用担当者との1on1
  • 社会的な好感度・イメージ

コンテンツ提供価値は、求職者にコンテンツを届けてイメージを変えられるポテンシャルの部分。一般的な施策でいうと以下があげられます。

  • 企業理念およびCIの刷新
  • 会社ロゴの刷新
  • SNS発信の強化
  • 自社メディアの運営
  • 採用サイトのリニューアル
  • 求人広告(紙媒体/Web)

これらのリレーション提供価値とコンテンツ提供価値の伸びしろが、採用ブランディングによって企業の採用力が強化されるポテンシャルとなります。

なぜ採用ブランディングが必要なのか

ではなぜ採用ブランディングが必要なのでしょうか? 答えは「弱者が強者に勝つためです」。ここでいう強者とは、先ほどの図解の「求人情報内の価値」が高い企業のこと。

わかりやすくいうと、例えば同じ職種で年収1,500万円の外資系企業が求人を出していたとします。これは明らかに「求人情報内の価値」が高いですよね。もし貴社が求職者とのリレーション提供価値やコンテンツ提供価値がいっさいなく、求人情報のみで戦うとしたら、自社も高年収を提示しなければ求職者に選ばれにくくなります。

でも、予算規模の小さい企業が「求人情報内の価値」で戦うのには限界がありますよね。

だからこそ、企業のビジョンを求職者に熱心に伝えたり(コンテンツ提供価値)、自社メディアで社内や社員の様子を魅力的に伝えたり(コンテンツ提供価値)、体験入社や社員とのランチで距離感を縮めたり(リレーション提供価値)することで、たとえ年収500万円の提示でも同じ人材を獲得できたりするのです。

これは極端な例かもしれませんが、優秀な人材を強者に奪われないためにも、採用ブランディングを意識して取り組むことが重要なのです。

採用ブランディングの流れ

※画像引用元:paddle design company「企画提案主導型で進める、採用ブランディングとツール制作。」

 

採用ブランディングで大切なのは、採用フロー全体を通して一貫性のあるコミュニケーションとリレーションを求職者と築くことです。一貫性がなければ、求職者の頭にイメージとして定着せず自社が優位に選ばれることは期待できません。

上の図は、企業ブランディングを手がけるpaddle design company社のブログより引用させていただいたものです。図にあるように、求職者からみて採用フローは何段階ものステップに分かれており、自社が発信する情報・コンテンツに触れる機会は無数にあります。

よく採用ブランディングの施策というと、「採用サイトを作りましょう」「SNS発信を積極的に」「求人広告を見直しましょう」など、枝葉末節の施策が提案されるケースが多いです。これは確かに間違ってはいませんが、大切なのは求職者が触れる情報全体を俯瞰で見つめ、全体を設計し直すことであることを忘れないようにしてください。

全体で一貫性のないコミュニケーションは、採用ブランディングとは呼べず、各施策の改善を行なっているに過ぎません。そのためにも、自社が競合と比較しどんなキャラクター・特徴を持っている組織なのか、軸となるコンセプトはなにかを言語化してチームで磨くことからはじめましょう。

採用ブランディングは時間がかかる

一点、採用ブランディングにおいて抑えておかなければならないことがあります。それが、”効果が出るまで時間がかかる”ということです。

記事前半で「AD(広告)」「PR(広報)」との違いを説明しましたが、AD→PR→BRの順に効果が出るスピードが違います。想像に難くないと思いますが、求職者に触れる情報全体を設計しコミュニケーションを行なうとなると、施策の幅はとても広いです。そして、求職者および就職市場からみたイメージは、ジワリジワリと時間をかけてしか基本的には変わりません

採用ブランディングに取り組んでいく場合は、結果が出るまで短くとも半年、基本的には数年単位で取り組んでいく覚悟が必要です。逆にいうと、「とにかく短期で採用力を強化したい」場合は、求人広告費用を増やすなど、AD(広告)施策にリソースを集中させるほうが得策です。

※不祥事やSNSの炎上、または大型の広告プロモーションなどを行なった際は、一瞬にして企業イメージが刷新されてしまうケースもあります

医療業界においても採用ブランディングは重要か?

最後に、弊社は医療施設向けの採用サイト作成ツールを提供している会社ですので、「医療業界においても採用ブランディングは重要といえるか」についてお話したいと思います。

結論からいうと、医療業界でも採用ブランディングは意識して取り組むべきだと我々は考えています。確かに、医療職の求職者にヒアリングをすると「給与や賞与などの情報だけで判断した」「業界内の評判で転職先の病院を決めた」など、一般の会社員と比べると、Web上の情報に触れて転職を決めるという傾向は少ない印象です。

しかし、病院のHPやSNSの評判・求人媒体などを気にされる求職者の人数も年々増えていますので、将来的には一般企業のような採用ブランディングが医療業界も必要になることでしょう。

「今はそもそも採用サイトすらない」「求人媒体に掲載することしかしたことがない」という病院関係者は、まずは自院のHPや病院情報の発信からはじめてみてはいかがでしょうか? 

・採用サイトの制作でお困りなら弊社までお問い合わせください

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